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2006年04月29日(Sat)▲ページの先頭へ
「おサイフケータイ」こんな時どうなる?
盗まれたり紛失したりしたら「電子マネー」はどうなるの?

「Edy」には特に補償制度がなく、盗難や紛失の際にはチャージした電子マネーは戻ってこない。幸運にも「おサイフケータイ」が戻ってきたとしても悪用されていればそれっきりだ。一方、「モバイルSuica」は、JR東日本の専用センターに連絡をすると利用を止めることができる。万一悪用されたとしても連絡後の残高については補償される。しかし、連絡の前に電子マネーを使用された場合には取り戻すことはできない。そのうえ利用を再開するのは再発行手続きが必要で、手数料が1000円かかる。

 「三井住友カードiD」「Smartplus」「QUICPay」は、一般的なクレジットカードと同様で、センターに連絡を入れることで利用を停止できる。もし、不正に利用された場合には、いずれのサービスも届け出から60日前までさかのぼり全額補償する。

 いずれにしても落としたりなくしたり盗まれたりしないように、管理には気を遣いたい。「おサイフケータイ」にはそれぞれ、一時的に決済機能を止める機能や、事前に登録した電話番号から電話してロックをかける遠隔ロック機能がついてる。これらはいつでも使えるよう、いざというときのために使い方をメモなどに控えて持っておくべきだろう。さらに使用停止を連絡するための、決済会社の連絡先も添えておけばいうことなしだ。


機種変更では事前の連絡とソフト削除が重要

Edy」と「モバイルSuica」の場合は機携帯電話からオンラインで機種変更の手続きをし、「電子マネー」をセンターサーバーに一旦を預ける。新しい機種に変更した後に残高情報とソフトをダウンロードして移行作業完了だ。

 「三井住友カードiD」「Smartplus」「QUICPay」では事前にセンターに連絡し、一旦利用を停止。その後、クレジットカード会社からサービスごとに、新しいIDやパスワード、アクセスコードなどが届く。変更後の機種にソフトをダウンロードして、送られてきたIDなどを入力すると再び利用できるようになる。機種変更では、古い携帯電話にソフトを入れたままにしておくと悪用される恐れもある。そのためサービス各社は端末のソフトを確実に削除するよう呼びかけている。

新たにサービスを始めるNTTドコモでは、携帯電話の盗難・紛失があった場合、センターに届け出れば該当する携帯電話に対して読み取り端末をロックして使用できないようにするといった対応なども考えているようだ。まだサービス開始前ということもあり、悪用された場合の補償について「DCMX miniでは一定の基準範囲内で補償、DCMXでは一般のクレジットカードと同等の補償をする」(NTTドコモ)として、補償内容や機種変更の詳細については検討中だ。










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2005年07月27日(Wed)▲ページの先頭へ
オーネット
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2005年06月11日(Sat)▲ページの先頭へ
401kプランとどうつきあうか
これまでの年金制度では老後の生活保障が十分でないということは、少々乱暴な言い方をすると、もはや政府はわれわれ国民の面倒は見てくれないということです。そこでこれから導入される日本版401kプランに国民がどう取り組んでいくかが重要になってきます。それには国民一人ひとりが現在の年金制度の状況を把握し、各自で資産を形成していくという発想の転換が必要になるでしょう。

これまでの公的年金や企業の確定給付型年金においては、現在の残高や受給金額、運用状況などは運用機関任せで、受給開始間際まで自分で受け取る年金額を把握していないうえ、退職後の60歳以降はこれらの年金で悠々自適な老後生活(働いていたときと同水準の生活)ができると誰もが考えていたはずです。しかし、現行の年金制度では社会経済の環境の変化や、終身雇用制度に対する意識の変化に十分に対応できなくなっています。加えて、近年の景気低迷を反映した低金利環境下では年金資産運用が十分にできなくなってきており、年金給付開始の繰り延べや給付額の減少などの措置がとられ、悠々自適な老後生活の保障はなくなってきてしまっています。そうなるとこれまで他人任せであった老後の資産形成を、各個人が自助努力により資産を増やすプランを考え形成していくことが重要となってくるのです。しかし資産運用がうまく行かず、元本割れをしてしまうというリスクがあり、資産の増減は各個人の運用次第となります。それゆえ各個人が他人任せにせず、しっかり自分にあったプランを考えることが大切となります。

個人の生活形態は様々ですので、子供が5人いる家庭と1人しかいない家庭のライフプランが同じであるはずがありません。それゆえ他人の真似ではなく、自分のことは自分で考えていかなければなりません。自分で考え、そして行動する。これが「自己責任」です。これは元来当然のことなのです。「自分で考え、自分で資産を形成する」これからの時代はこの意識を持つことが大切です。

1年や2年で老後資金をすべて蓄えるのは無理な話ですが、20年、30年という長い期間で考えてライフプランを立てていくことで、ゆとりのある老後の資金確保が可能となるわけです。


日本版401kプランの概要
@ 加入対象者

対象年齢は60歳未満となります。専業主婦(国民年金第3号被保険者)は加入対象となりません。確定拠出型年金には「企業型年金」と「個人型年金」があり、それぞれ加入対象者が違います。

「企業型年金」は、厚生年金に加入している企業の従業員(国民年金第2号被保険者)が加入対象者です。

「個人型年金」は、企業が厚生年金基金、適格退職年金等の対象となっておらず、かつ、確定拠出型年金の企業年金の対象になっていない企業の従業員と、自由・自営業等(国民年金第1号被保険者)が加入対象者です。

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A 制度への加入

「企業型年金」は、企業が確定拠出型年金規約(労使が協議して定めます)を制定して主務大臣の承認を得て、制度を導入します。加入対象者は企業が定めた確定拠出型年金規約に基づいて加入できます。

「個人型年金」は、国民年金基金連合会が確定拠出型年金規約を制定し、主務大臣の承認を得て、制度を導入します。加入対象者は、各個人で国民年金基金連合会に申請して加入できます。

B 拠出

既存の企業年金制度のある企業とない企業、自営業者で、それぞれ拠出限度額が決められています。

● 既存の企業年金制度(厚生年金、適格退職年金等)がある企業の従業員の場合:「企業型年金」

企業のみが拠出できます。拠出限度額内でも従業員の上乗せ拠出はできません。企業側では掛金が損金(必要経費)算入となります。この場合の拠出金に係る従業員の給与所得は非課税となります。企業が拠出する1人当たり従業員の拠出限度枠は年間で21万6000円(月1万8000円)までです。

● 既存の企業年金制度(厚生年金、適格退職年金等)がない企業の従業員の場合:

(a)企業が企業型確定拠出型年金制度を実施した場合:「企業型年金」

企業のみが拠出できます。この場合の企業の拠出金は損金(必要経費)算入となります。拠出限度枠内でも従業員は上乗せ拠出できません。企業が拠出する1人当たり従業員の拠出限度枠は年間で43万2000円(月3万6000円)までとなります。

(b)企業が企業型確定拠出型年金制度を実施しない場合:「個人型年金」

従業員は国民年金基金連合会が実施する個人型年金に加入できます。企業は拠出限度枠内でも上乗せ拠出できません。この場合は個人1人当たりの拠出限度枠は年間で18万円(月1万5000円)までです。国民年金の保険料を滞納している期間は拠出できません。

● 自営業者等(国民年金第1号被保険者)の場合:「個人型年金」

国民年金基金連合会が実施する個人型年金に加入できます、個人1人当たりの拠出限度枠は年間で81万6000円(月6万8000円、国民年金基金との合計額)までです。


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C 運用

運用商品は預貯金、公社債、投資信託、保険、株式(自社株を含みます)等です。加入後の運用はこれまでの確定給付型年金と違って、加入者本人が指示します。個々の従業員の意思に反して事業主が一括して運用指図することは認められていません。

(注)企業型年金での企業(事業主)の拠出金や運用益、個人型年金での拠出金や運用益は特別法人税が課せられますが、特別法人税は1999年度から2年間課税が凍結されています。今回の税制措置では2001年以降の特別法人税の具体的な案は出されておらず、今後の課題となっています。

D 給付

一定の加入年数要件の下で、60歳以上の任意の年齢から受給を開始でき、遅くとも70歳までには受給を開始しなくてはなりません。60歳以降であれば退職前でも受給は可能です。受給の方法としては毎月一定額を年金として受け取るか、一時金で受け取るかは自分のライフプランに合わせて加入者本人が選択できます。

● 老齢給付年金払い(分割):公的年金等控除が適用されます。

● 一時払いの老齢給付金:退職所得税が課税されます(退職所得控除計算の基礎となる勤続年数については、掛金支払期間を老齢給付金に係る退職所得の勤続年数とします)。

● 死亡一時金:受給開始以前に加入者本人が死亡した場合は家族が受け取ることができます。相続税法上のみなし相続財産として相続税が課せられます。ただし、法定相続人1人当たり500万円まで非課税となります

● 脱退一時金:所得税が課せられます。
● 障害給付金:所得税は課せられません。


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E 転職・離職、移行
確定拠出型年金の資産は加入者ごとに管理されています。確定拠出型年金間の資産の移管には所要の手続きを前提として転職先の制度に移管できます。確定給付型年金から確定拠出型年金への移行は所要の税制上の措置を講ずることとなります。現段階では移行時の移管限度額は決定しておらず、今後の検討課題として残っています。

導入に際し、一番のハードルであった税制面での優遇措置は概ね決定しましたが、当初の構想と比較すると拠出金の非課税限度枠は小幅にとどまりました。

更に一番需要が大きいとされる企業の従業員の個人拠出が税制優遇されない点は、確定拠出型年金制度拡大の足かせになる可能性があると思われます(当初の構想では企業拠出が限度額に満たない場合には、各従業員が拠出範囲内で上乗せ拠出(マッチング拠出)ができることになっていました)。

これから導入までには運用段階で課税される(2000年度まで課税は凍結)特別法人税の動向、既存の企業年金制度や退職一時金から確定拠出型年金への移行時の限度額などの検討課題も残っています。

これらの課題がクリアになり、企業や従業員にとって魅力ある年金制度が確立されれば、導入する企業が増加し確定拠出型年金制度の拡大につながっていくものと思われます。


大蔵省の「平成12年度税制改正の大綱」のなかで発表された年金税制の部分
確定拠出型年金制度に係る税制上の措置】

 確定拠出型年金法(仮称)による確定拠出型年金制度の創設に伴い、同制度における拠出、運用及び給付の各段階について、次の措置を講ずる。
(1)拠出段階
@ 企業型年金の事業主掛金については、事業主の所得の金額の計算上の損金(必要経費)に算入するとともに、当該掛金にかかる従業員の給与所得の金額の計算上、収入金額に算入しない。

A 各年において個人型年金の加入者(以下「個人加入者」という。)が自己が加入者である個人型年金につき支払った個人型加入者掛け金については、次による。

イ 国民年金の第二号被保険者のうち厚生年金基金、適格退職年金等の対象となっておらず、かつ、確定拠出型年金の企業年金の対象となっていない企業の従業員(以下「第二号加入者」という。)が支払った個人型加入者掛金については、その全額を所得控除の対象とする。

ロ 自営業者等の国民年金の第一号被保険者(以下「第一号加入者」という。)が支払った個人型加入者掛け金については、その全額を所得控除の対象とする。

(2)運用段階

@ 企業型年金
イ 資産管理機関が設定する信託:資産管理機関が受託者である企業型年金に係る信託については、信託財産に帰せられる収入及び支出等の帰属の原則を適用しない。

ロ 特別法人税:事業主掛金及びその運用益を対象として特別法人税を課税する。

ハ 企業型年金の年金資産である信託財産につき受託者である資産管理機関が受ける一定の利子等はまたは配当に対しては、所得税を課税しない。

A 個人型年金

イ 国民年金基金連合会が設定する信託: 国民年金基金連合会が設定する個人型年金に係る信託については、信託財産に帰せられる収入及び支出等の帰属の原則を適用しない。

ロ 特別法人税:第一号加入者又は第二号加入者の個人型加入者掛金及びその運用益を対象として特別法人税を課税する。

ハ 国民年金基金連合会が締結した個人型年金に係る契約に係る信託の信託財産につき当該信託の受託者が受ける一定の利子等又は配当等に対しては、所得税を課税しない。 ニ 国民年金基金連合会が作成する確定拠出型年金の給付に関する文書については、印紙税を課税しない。

(3)給付段階

@ 老齢給付金

イ 受給者が支給を受ける分割(年金)払いの老齢給付金(雑所得)については、公的年金等控除を適用する。

ロ 受給者が支給を受ける一時払いの老齢給付金については、退職手当等とみなす。

(注) 退職手当等とみなして退職所得の金額を計算する場合の退職所得控除の計算の基礎となる勤続年数の計算については、掛け金支払い期間を老齢給付金に係る退職所得の勤続年数とするとともに、他の退職所得との間で所要の調整を行う。

A 障害給付金:障害給付金については、所得税を課税しない。

B 死亡一時金:死亡一時金については、相続税法上のみなし相続財産(退職手当金等に含まれる給付)として相続税の課税対象とする。ただし、法定相続人一人当たり500万円までの非課税制度の対象とする。

(4)移管・移行

@ 確定拠出型年金間の年金資産の移管: 加入者が離転職し、年金資産を移行する場合には、所要の手続を前提として税制上の措置を継続する。

A 確定給付型年金等からの移行: 確定給付型年金等から確定拠出型年金への移行に伴う所要の税制上の措置を講ずる。


日本版401kプランはどうなるか
日本版401kプランの導入は年金財政の圧迫やこれからの企業環境、雇用環境、社会環境において、避けることができないものです。

日銀貯蓄広報委員会の1998年調査では、「老後の生活を心配している」世帯は8割を超えており、「年金だけではゆとりがない」と回答した国民が7割にも達しています。多くの人々が将来に不安を抱いており、各個人が計画的な貯金の必要性を認識しています。これまでは企業の確定給付型年金は公的年金を補う役割を果たしてきましたが、低金利下で予定利回りを確保できないばかりか、その不足を補填することによって企業経営に深刻な影響を及ぼしています。

また、企業側の雇用体制も激しいビジネス競争や産業構造の変化により、終身雇用体系、年功序列賃金体系などが見直され始めています。労働市場が流動的へと変化しつつある今、働く人々からポータビリティのある確定拠出型年金を求める声が高まっていく可能性は高いでしょう。

それゆえ、これからは受託者責任、自己責任を明確化し、従来の確定給付型企業年金に確定拠出型年金を組み合わせ、老後を豊かに暮らせるよう年金制度を改革する時期に来ているのです。

1999年は5年ごとに見直される年金制度改革の年でした。1998年から厚生省、通産省、労働省、大蔵省の4省で検討されてきた確定拠出型年金制度(日本版401kプラン)の概要は1999年7月27日に自民党の「私的年金等に関する小委員会」で了承され、日本版確定拠出型年金制度の導入が事実上決定しました。これまでの確定給付型年金に加え、日本版401kプランを導入することで、国民の老後への備えを補強することがこの制度の基本的な考え方です。しかし、この段階では税制面の優遇策は具体的に示されておらず、大きな課題を残していました。

1999年12月16日、政府税制調査会は、平成12年度の税制改正についての審議・検討の結果を「平成12年度の税制改正に関する答申」として取りまとめました。そして12月19日、大蔵省は「平成12年度税制改正の大綱」を決定しました。その「平成12年度税制改革の大綱」のなかで、確定拠出型年金制度の税制面の優遇策が盛り込まれ、導入に向け前進しました。


1999年の年金改革
1999年の年金改革で部分年金が廃止されることになりました。部分年金とは昭和16年4月2日以降に生まれた人が満額を受け取るまでの間にもらえる年金のことで、昭和28年4月2日以降に生まれた人から段階的に廃止し、昭和36年4月2日以降に生まれた人は60歳から65歳になるまでの期間は年金がもらえないことになります。

つまり、その期間の生活資金はこれかの貯蓄に依存することになります。もちろん自分がその年齢になったときにも働いて収入があれば問題はないでしょうが、万一病気などで働けなくなっていたりする場合や収入がない場合も考えられることから、やはり計画的に貯蓄を始めることが必要となります。昭和36年生まれの人は、2000年時点で39歳ですので、39歳以下の人はこれから退職までの期間をかけて、この間60歳から65歳までの5年間分)の資産形成も別途考えなければなりません。

総務省の家計調査年報(1998年)によると高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の1月にかかる生活費は約27万円(1998年ベース)となっています。夫婦で必要な5年間の生活費は27万円×12ヶ月×5年間=約1620万円と推定することができます。若い世代にはこの5年間のためにこれだけの貯蓄額が必要となります。

では低金利時代が続くなか、どのように資産を形成すればよいのでしょうか?これが最も重要な課題となってくるのです。

また、部分年金廃止と同様に事実上の賃金スライドの廃止も改革の大きな柱です。年金額は物価スライド率を乗じて修正しています。そして5年ごとに現役世代のベア相当分をもとに過去の標準報酬月額税込みを一定率で再評価して年金額のベースアップを行っています。そのベースアップを廃止し(1999年以降年齢が60歳以上になる人から実施)、さらにその年金額を5%減額することになっています。簡単にいうと、現在受け取っている年金受給者世代より、未受給者世代、とくに39歳以下の人たちは確実に受給する金額が減ることになります。どう楽観的に考えても、政府が打ち出した改革では自助努力で各個人が老後に備えて生活設計を立て、きちんとした資産形成をしていかなければならないということです。


崩壊寸前の企業年金〜確定給付型年金から確定拠出型年金へ
現在の企業年金制度では、あらかじめ将来の給付額が決まっている確定給付型しか認められていません。しかし、バブル崩壊後のこの低金利時代、思ったような運用収益はあげられず、企業はその差額の埋め合わせで会社経営を圧迫させています。実際、企業年金を解散する企業は1996年から相次いで発生しています。よく知られるもので、1997年のヤオハンの年金解散がありました。

日本経済新聞社が1999年6月に主要65社を対象に実施した調査によると、年金退職金の積み立て不足は6兆2000億円に達するということです。これは2001年3月期から導入される退職給付会計に沿って試算された数字で、会計基準変更時に表面化する不足分は15年以内で処理することが必要となるため、この不足は長期にわたって企業を圧迫する可能性が高まってきています。

また、解散にまでは追い込まれてはいませんが、大手企業では予定利率を引き下げるなどの企業年金改革が相次いでいます。現在の預金金利は大口の定期預金で期間が10年でも0.6〜0.7%ほどなのに、年金の予定利率は約5.5%と現実離れしています。もちろん年金は大口定期で運用されてはいませんが、高利回りでの運用が難しくなってきています。

確定給付という年金制度によって一人ひとりがあらかじめ決まっている金額を受給することを維持するためには、企業が積立て部分を補填するか、現役世代の負担を増やすかになります。しかしこのような方法では資金不足の解消には限界があり、最終的には給付額が引き下げられるか、給付開始年齢の引き上げなどで対応せざるを得なくなります。そして、企業の倒産やリストラ等による雇用体系の変化により、終身雇用というこれまでの考え方も大きく変わってきています。

現在の年金制度のままだと企業年金の受給資格を得るまでには長い期間同じ企業に勤務することが必要であり、短い期間での転職は加入者にとって不利になります。これでは雇用流動化には対応できません。このようなことからも日本版の確定拠出型年金401kの導入が待ち望まれていたのです。


改革を迫られる日本の年金制度
なぜ今、日本において401kプランが導入されようとしているのでしょうか。米国の公的年金はこのままでいくと年金給付額が低下していくことは前述しました。日本の年金給付資産額も全く同じ状態にあるのです。しかし米国と違う点は、日本では現在、公的年金が老後の生活を支える軸となっているだけにその影響は米国以上に大きいということです。わたしたち日本国民も自助努力によって老後の生活資金を貯えなければならない時代がやってきたのです。

日本もこのまま少子化が進むと高齢化社会の到来は避けられません。多くの働く世代が少数の高齢者を支えるピラミッド構造が崩れてきており、これからは少ない人数で多くの高齢者を支えていくという構造になり、これでは現在の年金制度の運営を維持することは困難になることが明白です。

今や、日本の公的年金や企業年金は、大きな転換期を迎えているといえます。問題点を大きく分けると急速な少子高齢化による公的年金財政の圧迫、超低金利による企業年金の積み立て不足です。

公的年金制度は、このまま少子高齢化が進めば、現行の運営を維持していくことが困難になります。保険料率も現在の17.35%から2025年には34.3%にまで引き上げなければ運営できなくなると予想されています。(厚生労働省の「厚生年金保険料の将来見通し」より)。しかし運営を維持するために保険料率を引き上げることは現役世代に相当の負担をもたらすことになります。

では年金支給額を減額するとどうでしょうか?年金支給額の減額は老後のライフプランはもとより今後の貯蓄形成に大きく影響をもたらすことになります。日本ではこのような問題点を踏まえながら早急な年金改革が必要になってきたのです。


年金制度のなかでの401kプランの位置づけ
前述したように米国の年金制度には公的年金と私的年金(個人年金、企業年金)があり、そのうち公的年金(確定給付型)ではこれからの高齢化社会到来による年金給付資産残高の減少は避けられず、人々は老後の保障を企業年金を中心とする私的年金で補わなければなりません。そこで注目されたのが確定拠出型年金であったといえます。

一方、米国政府は、退職後の生活資金を自助努力により貯えるということの重要性を幅広い年齢層に伝えようとしてきました。もともと米国では貯蓄水準をいかに高めるかも経済政策上の大きな課題であり、401kプランのような税制優遇のある年金制度を導入することは老後の生活資金を貯蓄するということを国民に広める上で大変効果的だったといえます。

401kによる貯蓄増強は資本の増大につながり、さらには経済の成長力を高めました。そして雇用の流動化という面では労働市場を活性化させることになりました。このようなことからも401kプランは米国の経済成長の背景として欠くことのできないものであったと考えられます。

確定拠出型年金のなかでもとりわけ401kプランは目覚しく拡大しています。ベビーブーマー世代の積極的な資金形成による資金流入が、拡大の一番の理由といえます。これは株式の上昇や株式投信の拡大とも深い関わりをもっています。1999年7月30日の日本経済新聞には「米国の投資信託の運用資産残高が始めて6兆ドルに。これは株式相場の上昇で投信が保有する株が大きく値上がりしたうえに、確定拠出型年金401kプランなどを通じて個人年金マネーが毎月着実に新規資金として流入しているため。」という記事がありました。

401kプランの資産残高は年々増加しています。1995年でみると確定拠出型年金の資産残高全体の6割以上を占める穂とに拡大しています。米国の確定拠出型年金の拡大を担っているのは、まさに401kプランなのです。それゆえ確定拠出型年金の代名詞ともいえます。

では米国の企業で働く人々は確定給付型から確定拠出型へと完全にシフトしたのでしょうか?確定給付型年金の加入者数は年々増加しておらず大体横ばいです。確定拠出型は年々増加傾向に変わりありませんが、それは確定給付型からのシフトではなく、もともとは確定給付型年金制度だった企業が現代のニーズや雇用環境に合わせて、確定拠出型年金制度を新しく導入したからだと考えられます。

企業側は確定拠出型年金制度の導入によって、よりよい人材確保に取り組んでいるともいえます。


貯蓄に目覚めたベビーブーマー
米国のベビーブーマー世代とはどういう人たちでしょうか?米国のベビーブーマーは第二次世界大戦後の1946年から1964年にかけて生まれた人たちです。米国では18年という長い期間にわたって高い出生率が続きました。

ベビーブーマーの多くは1970年代から1980年代にかけて結婚、出産を経験しました。その時代、彼らは米国経済の成長において代表的な消費者であったということです。彼らは現在30歳代後半から50歳代前半であり、ベビーブーマーの初期世代はそろそろ退職後の生活を考える時期に入ってきています。そして税制優遇措置があることから、この401kプランに注目し自己資産をどんどんつぎ込み始めています。これが401kプランの急成長に一役買っているわけです。

70年代から80年代にかけて米国の経済成長を牽引してきたベビーブーマーは、現在、退職準備をする時期を控えて公的年金に不安を抱き、自助努力によって自己の資産運用を行っていくという401kプラン拡大の牽引役となっています。

最近の特徴としては、401kの運用先として株式や株式投資信託を選択する人たちが増えていることが挙げられます。米国の株式市場は1980年代以降上昇トレンドが続いています。もちろん1987年のブラックマンデーをはじめ1991年、1994年には株価の暴落はありましたが、資金は証券市場から流出せず、これらの下落局面を買い場と見る投資家が多く、株価はその後回復しています。現在、401kの運用先として株式等を選択している人たちは増えています。もし株式市場が暴落した場合は、将来受け取る年金額か狂ってしまうことになります。しかしベビーブーマーたちは老後に備えるための資金は1年、2年といった短い期間で形成していくものではなく、20年、30年といった長い期間で形成していくものであると理解しているのではないでしょうか。株式投資は短期ではハイリスクではあるが長期では十分有効な運用手段であることが広く認識されているようです。

日本では株式市場に対するこのような認識は少々欠けているといえます。そのため導入が予定されている日本版401kプランでは、加入者への十分な制度の説明、投資教育やリスク管理の教育が最も重要になってくるでしょう。


401kプランとは
401kプランとは、米国の内国歳入法の401条a項の要件において税制適格な確定拠出型年金(DC)で、さらに401条k項の要件を満たしたものを指します。条文上の正式名称は、即時/据え置き選択制度(Cash or Deferred Arrangement = CODA)となっています。

従業員が給料やボーナスを企業から支払われた時点で受け取るか、または将来、年金や一時金として受け取るかを選択するという制度です。 401kプランは毎月決まった掛金を拠出して積み立て、積立金の運用結果次第で将来受け取る年金額が変動します。従業員は給料やボーナスから一定の資金を拠出し、将来に備えて自分でその資金を運用することで401kプランを利用しています。

401kプランを代表とする確定拠出型年金(DC)には他にマネーパーチェス制度、利益分配制度、株式賞与制度(これらは内国歳入法の401条a項の定める要件を満たしている税制適格年金です)があります。マネーパーチェス制度は、企業が従業員の給料の一定割合を拠出し、各従業員の口座に積み立てる制度です。利益分配制度は、企業が企業収益に応じて企業拠出額を決定し、各従業員の給料や勤続年数によって、従業員の口座に分配する制度です。株式賞与制度は、企業の拠出金で自社株を購入し、その自社株を従業員に割り当てる制度です。 このように、この3制度はいずれも掛金の拠出が企業中心に行われ、企業の拠出掛金が損金に算入されるかたちで企業は税制上の優遇を受けています(企業にとっては節税となります)。

これに対し、401kプランは企業ではなく従業員が主体となって掛金の拠出を行い、税制上の優遇は企業に対してだけでなく、従業員に対しても所得税の繰り延べという形で与えられています。つまり、401kプランは税制上の優遇のついた企業年金となります。

では実際に米国の401kプランとはどのような仕組みで運営され、どのような特徴があるのでしょうか? 一般的には従業員は各自に設けられている「従業員勘定」に所得税課税前に限度額範囲内で給与天引きによって拠出します。企業は通常従業員拠出額の範囲内で掛金を追加拠出(マッチング拠出)します。企業側の拠出は任意ですが、マッチング拠出は損金扱いとなりますので、企業側にとっては節税となります。

掛金の運用は企業が提供する投資信託などの運用商品の中から従業員が自己責任において選択します。そして、そこから出た運用益は掛金と同様に給付時まで課税が繰り延べられます。給付時まで課税が繰り延べられる点は401kプランだけに設けられている優遇措置であり、このプランが拡大している理由です。

401kプランが企業サイドと従業員サイドから多くの支持を得ているのには、税制上の優遇の他にいくつかの利点があるからだといえます。


従業員サイドの利点としては、これまで述べた税制優遇の他に、次のものもあります。
各個人別に「従業員勘定」があり給与天引きで自動的に積立てされるので拠出時の手続きもなく各自の残高や資産配分等を把握しやすくなっています。このため確定給付型年金と比べ透明性が高くなります。

転職先への資産移管が可能であり、転職先に401kプランがない場合にはIRA(個人退職用積立勘定)に非課税で移管でき、携帯性(ポータビリティ)があるので転職の妨げにならず、雇用の流動性の足かせになりません。 制度への参加は任意であり、規定の範囲内で拠出額や運用先を指定、変更することができます。

企業サイドからの利点は、次のものがあります。
将来の年金給付額が一定の算式で決められている確定給付型では、もし運用状況が悪く年金資産の積立が不足した場合、企業が不足分を補わなければなりませんが、401kプランでは運用状況の悪化などでの利差益による追加拠出の必要がないので、経営に悪影響を及ぼすことが少なくなります。この企業補填は現在、日本においても企業経営を圧迫している最大の問題点です。 確定拠出型では年金数理計算などの運用事務の負担が少なく、拠出額(従業員、企業側共)や制度の運営費用も損金算入が可能です。

以上が利点ですが、もちろんこれとは逆にデメリットもあります。 たとえば、制度が税制適格であるため満たさなければならない要件が複雑で、企業は運営を慎重に行い定期的に調査することも必要となります。また、従業員に対しては自己の責任と判断で幅広い運用商品の中から選択をする上で十分な退職準備の考え方や精度の特徴、リスクなどの教育をしていかなければなりません。 そして従業員は先にも述べたように、自己責任において投資選択するリスクを各自が負うこととなり、大きな収益と損失は紙一重となります。資産運用の結果が将来の受給額を大きく左右するので、退職後の準備を狂わすことにもなりかねません。 しかしながら米国において公的年金の水準は低く、高齢化に伴い今のままでは公的年金給付の資金が不足するのは必死です。それゆえ退職後の生活基盤となる企業年金の重要性は高く、リスクを請け負っても自分の老後資金は自分で貯えるという考え方が広まっています。  


401kプランの誕生
1940年に入ると多くの企業年金が設立されるようになりましたが、現在の企業年金制度運営の基盤が作られたのは1974年に従業員退職所得保障法(Employee Retirement Income Security Act)通称「エリサ法」が制定されてからです。それまでは、内国歳入法で税制適格の企業年金の要件は定められていましたが、年金財政を健全に運営維持する義務が企業になく、そのため企業倒産などにより従業員への給付ができなくなるということが発生しました。 このような状況のなか、国民からは、公的年金の支給水準がもともと低いこともあり、私的年金機能の拡充を求める声が多く存在していました。

エリサ法はこのような社会的状況を受けて受給権保護を目的に制定されました。エリサ法では以下の内容が制定されています。

企業年金財政の情報開示(ディスクロージャー)
加入資格と受給権付与の基準の設定
最低積立額基準の設定
受託者責任の設定
制度終了保険(Pension Benefit Guarantee Corporation = PBGC)の創設
個人所得勘定(IRA)の導入
エリサ法制定から4年後の1978年、内国歳入法に401条k項が追加され「所得税繰り延べ」が制度として認められました。この追加された「所得税繰り延べ」制度が401条k項であったため、この要件を満たした年金制度は401kプランと呼ばれ、ここに401kプランが誕生したのです。

その後、1981年には内国歳入庁からガイドラインが発表され401kプランは年金制度の分野で目覚しい発展を遂げていきます。401kプランは将来の生活水準を退職前と同じように保つため、公的年金制度の不足分を補う制度として誕生したといえます。


   





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